海と太陽に挟まれた細長い大地、四国最西端の佐田岬半島には、当たり前のように積みあがる碧い石が世代を超えて、半島の人々の暮らしを支えてきました。
佐田岬半島の暮らしにとって、これらの石は欠かせないものでした。平地が少ないことから平らな宅地や農地を作り、また強い風や海からの潮を防ぐためたくさんの石垣が造られてきました。
石垣のつき方も石の種類も「いろいろ」と佐田岬半島の暮らしの中のあちことに石垣ワールドが見えてきます。
天空の石垣?
宇和海を一望できる斜面の標高約100mから150mの間に名取地区はあります。元和元年(1615年)に宇和島藩主 伊達秀宗が、奥州先代から入府した際に奥州名取郷より軍夫として連れてきた人々を、宇和海の見張り役として当地に定住させたのが、名取の始まりとされています。 名取の石垣の特徴は、石の種類が青石⋅石灰石などさまざまで変化に富んでいます。また、不安定な地盤のせいか、積み方も巧みに工夫されており、その種類も多く、野良積み・平積み・矢羽根積みなどの工法が用いられています。その結果として、石垣は豊かな表情を見せ、独特の文化を造りあげています。
➊名取地区の石垣
所在地 | 〒796-0816 愛媛県西宇和郡伊方町名取 |
❷正野地区野坂の石垣
所在地 | 〒796-0823 愛媛県西宇和郡伊方町正野 |
❸串地区の石垣